位置エネルギー potential energy 2005 3 2

 たとえば、A地点にある自動車が、B地点に移動するとします。
自動車は、時速100キロで移動します。
 そうすると、B地点の「かなり手前」から速度を落とし、
B地点で速度ゼロになるように運転するでしょう。
 しかし、B地点の直前まで、時速100キロで移動し、
B地点に達すると、速度ゼロになる移動方法は、あり得るでしょうか。
 あるいは、A地点にあった自動車が、突然、消えて、
B地点に、現れてしまうような移動方法は、あり得るでしょうか。
 二つの方法とも、あり得ないと言う人が多いでしょう。
しかし、将来的に、「絶対にない」とは、言い切れないと思います。
こうした不思議な移動方法が、原子レベルの世界では、普通に起きているかもしれません。
 「光」というものは、どうやって発生するのか、知っているでしょうか。
これは、原子核の外側を回っている電子に、位置の変化が起きるために、光が発生します。
 電子は、決められた軌道に、存在しています。
この状態に、エネルギーを与えると、電子が励起状態となり、
ひとつ外側の軌道に移動します。
 しかし、電子は、外側の軌道では、不安定な状態なので、
エネルギーを放射して、元の軌道に戻ります。
この時のエネルギーが、光として、観測できるのです。
 問題は、電子の移動方法です。
ひとつ外側の軌道に移動する時、どういう移動方法を取るのか。
また、元の軌道に戻る時に、どういう移動方法を取るのか。
まさか、自動車のような移動方法は取らないでしょう。
 こうした特殊な移動方法は、今のところ、
電子レベルの話ですが、将来は、人間の乗る「乗り物」にも応用されるかもしれません。
 「位置の科学」という分野は、将来、重要な分野になるかもしれません。
たとえば、これを、太陽系で考えます。
 一番内側の軌道にある「水星」に、エネルギーを与えて、励起させ、
「金星」の軌道に移動させるには、膨大なエネルギーが必要でしょう。
 しかし、太陽系の一番外側にある「冥王星」に、エネルギーを与えて、励起させ、
ひとつ外側の軌道に移動させる場合は、「水星」ほど、エネルギーを必要としないでしょう。
将来、宇宙時代を迎えるにあたって、こうした「位置の科学」は、重要になると思います。








































































































 

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